25日午前の東京株式市場で日経平均株価は3日続伸し、前日比72円(0.33%)高の2万1781円で終えた。一時、取引時間中としては、5月7日以来、約2カ月半ぶりの高値を付けた。24日の日本電産を皮切りに主要企業の4~6月期決算発表が本格化したが、東京市場はきょうも半導体株の買いに支えられた格好。一方で中国需要の低調さが改めて表面化しているとの指摘もあり、中国関連株では警戒した売りも出ている。好業績が株価を押し上げる業績相場入りと判断するのは時期尚早だろう。
「主要企業決算が予想より悪くなく、半導体株を中心に出遅れていた日本株が買われていくだろう」(大和証券の石黒英之シニアストラテジスト)。日経平均が取引時間中としては2カ月半ぶりの高値となったことで、市場関係者からは目先株高を予測する声が聞かれた。
主な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は前日に最高値を更新。半導体検査装置のアドバンテストが24日発表した4~6月期の連結決算(国際会計基準)も市場予想ほど悪くない内容で、日本の半導体株に買いが広がった。アドテストは一時前日比19%高で11年10カ月ぶりの高値を付けたほか、信越化学工業が一時7%高、東京エレクトロンが一時2%高とそれぞれ年初来高値を更新した。
決算シーズン本格化の先陣を切った日電産にも悲観売りはあまり見られなかった。4~6月期の連結決算は、営業利益(国際会計基準)は279億円と前年同期に比べて39%減った。純利益で22%増の1350億円を見込む通期業績予想は据え置いたことで、日電産には好感した買いが入り、一時前日比6%高まで上昇した。予想据え置きでの株高は、一部投資家の業績期待の高さを裏付ける。
ただし、企業業績は順風満帆とは言い難い。見逃せないのは、中国事業の比率が高い主力銘柄で構成する「日経中国関連株50」指数だ。25日午前は軟調に推移しており、午前終値は前日比0.05ポイント上昇の1668.11。市場では中国需要への警戒感が漂う。
米キャタピラーが24日発表した4~6月期決算はコスト増や中国景気の減速が響き、1株利益が市場予想を下回った。地域別の売上高は、アジア太平洋が中国の景気低迷で建設機械の販売が落ち込み7%減。決算を受けて株価は前日比4%安に沈んだ。コマツは一時2%安、日立建機は3%安となった。第一生命経済研究所の西浜徹主席エコノミストは、「中国は設備投資もまだ弱く、需要が底打ったとは判断できず楽観視できない」と警戒する。
25日午前は株価が上昇した日電産だが、永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)は24日の会見で、下期以降の中国の状況について「期待するほど良くはならないと思う。全ての製品の売り上げが上向くのはもう少し先だ」と慎重な発言をしている。
中国の4~6月期の実質国内総生産(GDP)の伸び率は四半期ベースで遡及可能な1992年以降で最低の水準。中国経済は米中貿易摩擦以前に、改革が進展しないなどの構造要因も抱える。市場では「中国の景気の持ち直しが遅いのではとの認識が、決算発表を通して伝われば、半導体株高に依存している日本株はもろい」(JPモルガン・アセット・マネジメントの前川将吾グローバル・マーケット・ストラテジスト)との指摘もある。「3日続伸で業績相場入り」と判断した投資家は足をすくわれかねない。
〔日経QUICKニュース(NQN) 松井聡〕
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL25HAG_V20C19A7000000/
2019-07-25 03:39:01Z
52781827563393
Tidak ada komentar:
Posting Komentar