日本政府が、韓国政府や企業の動向の監視を強めている。半導体素材の輸出管理強化を受け、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は、巨額投資による自国開発を決めたが、短期間での完成は困難とみられるためだ。日本企業には、韓国側の工作活動によって最先端技術を奪われた苦い過去がある。万が一、軍事転用可能な素材開発技術が流出すれば、日本や同盟国の安全保障上、深刻な事態となりかねない。
「韓国側も対策を練っているようだが、長い期間をかけて現在の技術に至っている。お客さまと密にやり取りをしてきた知見もあるので、一朝一夕にできるものではないと考えている」
ある半導体素材メーカーの関係者は、夕刊フジの取材にこう答えた。
日本政府は、韓国側の輸出管理に不備があり、「不適切事案が複数発生した」ため、安全保障上の運用見直しとして、軍事転用可能な戦略物資である「フッ化ポリイミド」と「レジスト」「エッチングガス(高純度フッ化水素)」の3品目について、韓国への輸出管理を強化した。
これに対し、韓国政府は対抗策に着手した。
洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政相は17日、半導体素材の対日依存を減らし、国産化を進める総合対策を近く発表する方針を明らかにした。
聯合ニュースによると、産業通商資源省の関係者は「半導体素材・部品・装備に2020年から10年間で1兆ウォン(約920億円)を投入する事業は、予備妥当性調査を通過した。一般素材・部品・装備は21年からの6年間で5兆ウォン(約4600億円)を投入する方策について調査が進んでいる」と説明した。
だが、見通しは決して明るくない。
元経済企画庁官僚で、在韓国日本大使館一等書記官の経験もある大東文化大学の高安雄一教授は「日本企業は長年をかけ、技術を培ってきた。10年、20年という長いスパンで考えると可能かもしれないが、巨額の研究開発費をかけたところで、短期間で開発できるものではない」と話す。
こうしたなか、日本側が厳重警戒するのが「技術流出」だ。冒頭の半導体素材メーカー関係者も「懸念点だ」と語った。
実際、日本の著名企業から韓国企業への技術流出が起こり、訴訟に発展したケースが複数ある。
東芝からは、スマホなどに使われる記録用半導体「NAND型フラッシュメモリー」の研究データが、提携企業の元技術者によって持ち出され、韓国半導体大手のSKハイニックスに流出した。損害賠償訴訟となり、2014年に東芝が約330億円を受け取ることで和解が成立した。
新日鉄住金も、同社の元社員から韓国鉄鋼大手ポスコが高級鋼板の製造技術を不正取得したとして、損害賠償訴訟を起こし、15年に300億円の支払いを受けて訴訟を取り下げた。
今回の半導体素材をめぐっても、同様の技術流出の恐れはあるのか。
高安氏は「昔は日本の半導体技術者が土日に韓国に行き、(秘密裏に)技術を伝授したとされる。大手半導体メーカーは技術者数が多く、ターゲットを見つけることが可能だったのかもしれない。だが、相対的に規模の小さい半導体素材メーカーでは、そうした人物を見つけるのは難しいのではないか。半導体や鉄は国の産業を支えるものだが、半導体素材はそこまでではなく、経済的に考えても効率的ではない」と説明する。
窮地に立たされた韓国では、事態打開に向けた案が複数浮上している。
朝鮮日報(日本語版)は9日、韓国半導体メーカーで、台湾やシンガポールなどの生産拠点を利用して半導体素材を「迂回(うかい)輸入」する案や、日本の素材メーカーの工場を「韓国に誘致」する案などが検討されていると伝えた。ただ、「日本政府が規制してガッチリ押えている品目なだけに、政府側が認めないだろう」(業界関係者)との見方も報じている。
当たり前だ。日本政府が輸出管理を強化したのは、軍事転用可能な半導体素材が「韓国から(北朝鮮やイランなどの)第3国に渡るリスクが排除できない」(与党幹部)からだ。今回の決断は、同盟国である米国にも伝達しているとされる。
文政権下で繰り返された「反日」暴挙でも分かるように、韓国は何をしてくるか分からない。
朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏は「韓国側が優遇策を打ち出して、素材メーカーの韓国進出を要請してくる可能性はある。だが、韓国に工場をつくったら、技術流出の恐れが高い。韓国は、いわゆる『元徴用工』の異常裁判でも、日本企業を『戦犯企業』とたたいており、カントリーリスクがある。因縁をつけられて日本企業の資産や技術が凍結される恐れがあるのではないか」と警告している。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190719-00000012-ykf-soci
2019-07-19 07:56:00Z
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