過去1週間の米金融市場のメッセージは、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が26日のジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)の講演で、ボルカー元FRB議長のように、インフレ抑制に向けて大幅な利上げ継続方針を打ち出すというものだ。
しかし、ゴールドマン・サックス・グループのチーフエコノミスト、ヤン・ハッチウス氏は先走りするべきではないと語る。
ハッチウス氏は23日のブルームバーグテレビジョンの番組でパウエル議長について、「前回の記者会見の場合と同様、彼は先行き利上げペースを落とす方針を示すのではないか。これまでに2回連続の0.75ポイント利上げがあった。データ面で大きなサプライズがない限り、9月の動きは0.5ポイントというのがわれわれの予想だ」と話した。
さらに、「議長が数字を特定することはないと考えられるが、引き締め過ぎのリスクがあり、大幅な引き上げよりも、ややゆっくり進めることが理にかなうと指摘すると私は想定している」とコメントした。
ただハッチウス氏は、パウエル議長が突然、1970年代の米狂乱物価の時代にFRB議長を務め、利上げに消極的だったバーンズ氏のようになると指摘しているわけではない。26日の講演で議長はインフレ退治の「仕事はまだ終わっていないという点を明確にするだろう」とハッチウス氏は述べるとともに、「インフレ率が高過ぎる。金融当局者はインフレ率を2%に押し戻すことに非常にコミットしている」と話した。
事実上のゼロ金利政策を続けていた米金融当局は今年これまでに、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを2.25-2.5%に引き上げた。ハッチウス氏は金融当局が物品・サービスの物価を落ち着かせるために十分利上げする一方で、リセッション(景気後退)は回避するという「バランスを取った行動」を講じていると話す。
「われわれは引き続きソフトランディング(軟着陸)を見込んでいる」とした上で、「それは成長鈍化の環境となるだろう。今から1年後か2年後にはインフレ率はもっと低い水準にあるだろう」と発言。そこに到達するにはFF金利の誘導目標が「3.5%もしくはそれ以上」に引き上げられるとの見方も示した。
ハッチウス氏は「3%台半ばないし、それよりやや高めになれば、その水準にとどまることになるだろう。1年後のインフレ動向はもっと良好になっているだろうが、依然として当局目標を大幅に上回るものだろう。当局は最終的に2%に極めて近づけたいと望むと考えられる」と説明した。
原題:
Goldman’s Hatzius Says Powell Won’t Go All Volcker (Correct)(抜粋)
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2022-08-23 22:11:00Z
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