[22日 ロイター] - 今週米ワイオミング州ジャクソンホールで開催される経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演を行う。インフレに直面しリセッション(景気後退)の恐れがある米経済の行方について、パウエル氏がどう考えるかを知る機会となる。
同氏は数カ月先の見通しは全く分からないという不快な事実を最初に認めることになるだろう。
パウエル氏の講演は日本時間26日午後11時に始まる。
米経済は1980年代初頭以来の高インフレに直面し、FRBは金利を急速に引き上げている。このためパウエル氏はこの取り組みに焦点を当てるとみられる。
プリンシパル・グローバル・インベスターズのチーフストラテジスト、シーマ・シャー氏は、インフレに対処するための金融引き締めはもう十分と述べたり、景気低迷の兆候に言及し利上げ打ち止めや利下げに転じる可能性を示したりすることはないと指摘。むしろ成長は鈍化しており一段と減速する可能性が高いが、インフレは根強いためこの抑制がFRBの優先事項になると強調する公算が大きいとし、「成長の鈍化に対応して(引き締めを)止めるようなことはしないだろう」と語った。
<インフレの広範な要因>
ロシアのウクライナ侵攻に端を発したエネルギー・食料市場の不安定な動きや、新型コロナウイルス禍の影響による世界的な輸送の混乱、行動制限解除後の「リベンジ消費」など、物価高騰の要因は多岐にわたる。
ブラックロックの米州ファンダメンタル債券部門の責任者ボブ・ミラー氏は先週「われわれはなお(新型コロナの)大流行による経済の停止と再開という非常に複雑な状況の中にいる」と指摘。需要と供給、経済全体は同時多発的な「ショック」によって相反する方向に向かい、「歴史的な相関関係が壊れている」と分析した。
次に何が起こるかを推し量ることは非常に困難になっている。国内総生産(GDP)が6カ月落ち込んだ後、企業は7月に50万人以上雇用を増やした。FRBは政策のガイダンスを取り下げ、毎回の会合で意図を説明する方法に切り替えた。
<景気後退「起こり得る」>
フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は、3月上旬のゼロ付近から2.25─2.50%まで上昇した。今後さらに引き上げられることは確実だが、利上げのペースと最終的に打ち止めとなる地点は不明だ。
FRBと米経済が直面している重要な問題は、これまでの利上げが需要を抑制し、目標の2%を大幅に上回るインフレ率を押し下げるかどうかだ。
利上げが不十分で、物価指標が今後数カ月で一貫して低下する傾向が確認されなければ、株価の再急落や企業の雇用削減、景気後退の恐れになりかねない借り入れコスト上昇期待につながる。
FRBはそうした事態を避けたいと考えている。パウエル氏は今回の講演で、インフレ率が低下するには景気が減速する必要があると強調するとみられる。減速しなければFRBはさらなる引き締めを余儀なくされる。
米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は先週末「インフレを抑制する道はあるが、その過程で景気後退が起こる可能性がある」と述べた。
(Howard Schneider記者)
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2022-08-23 01:43:00Z
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