「週刊新潮」(9月1日号)が、回転ずしチェーン「スシロー」がマグロの種別を偽装していると報道したことを巡り、運営元のあきんどスシローが8月31日、声明を発表し、報道内容を否定した。同社は問い合わせに「誤った内容の回答をした」と釈明している。
問題の発端となったのは、週刊新潮に掲載された「スシローの悪質な『マグロ偽装』疑惑 DNA調査を行うと『喧伝されているのとは違うマグロが』」という記事。該当記事は、味が濃厚な「メバチマグロ」のみを使用しているとのテレビ番組の紹介に疑念を抱いた業界関係者が、スシローが販売する「鉄火巻」を持ち帰り、DNA鑑定したところ「キハダマグロ」の使用が判明したと紹介した。
鑑定結果を受け、関係者が再度、運営元に問い合わせた結果、運営元は「『鉄火巻』に使用しているマグロの魚種につきましては、社内確認の結果、70%がキハダマグロ、30%がメバチマグロを使用していることが判明した」と回答したという。この対応に問い合わせた関係者は「メバチマグロとキハダマグロは種として違う。産地偽装とは比較にならないほど悪質」と批判したと報じた。
週刊新潮はこの関係者のコメントに加え、消費者庁にも取材し「今回のケースは、実際の商品よりも優良であるかのように偽る『優良誤認』に当たる疑いがあり、景品表示法違反となる可能性がある」と指摘。“偽装”などの言葉を使い、批判記事を掲載した。
運営元「マグロを時期によって使い分けている」
こうした一連の報道内容に対し、運営元は「まぐろを使用したメニューは多数用意しており、本マグロ、インドマグロ、メバチマグロ、キハダマグロなど、そのメニュー構成や仕入れ状況、時期などにより使い分けてご提供している」と釈明。「現在スシローにおいて100円(税抜き)で提供している『まぐろ』につきましては、メバチマグロを使用しており、キハダマグロは使用していない」「『鉄火巻』などにつきましては、キハダマグロやメバチマグロ、商品によってはインドマグロ、本マグロなどをその時点の仕入の状況やメニューの構成により使用している」とした。
問い合わせた業界関係者への回答内容については「担当者が誤った認識のまま『鉄火巻』についてもメバチマグロのみを使用しているという回答をしてしまった」と説明。その後、正しい情報の説明と、誤った情報を伝えたことに対して、おわびしたという。
一方で、批判記事を掲載した週刊新潮には「販売姿勢に対して『悪意』や『悪質』といった意図があったかの記事の内容となっていることは大変遺憾」と批判した。
再発防止策として、運営元は今後、窓口担当者への商品知識に対する教育を徹底するとともに、報道機関向けには、誤解を与えないよう丁寧な商品の説明を行う方針を示している。
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2022-08-31 08:10:00Z
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