日本は、高度経済成長が続いていた1968年に当時の西ドイツを抜いてアメリカに次ぐ世界2位の経済大国となりましたが、2010年には「世界の工場」として急成長した中国に抜かれて3位に後退。
その後は、米中に大きく水を開けられ、去年は、人口が8400万人と日本のほぼ3分の2のドイツに逆転される形となりました。
【円安と物価上昇】
要因の1つは、為替相場と物価上昇率の影響です。
円相場は2011年には一時、1ドル=75円台をつける円高水準でしたが、去年は平均で1ドル=140円台まで値下がりしています。
円安が進むとGDPを円からドルに換算する際、目減りすることになります。
また、名目GDPは物価の変動に左右されます。
ドイツでは去年、物価の変動を除いた実質のGDPの成長率はマイナス0.3%でしたが、ロシアによるウクライナ侵攻の影響もあってエネルギーなどを中心に物価が高騰したことから、名目のGDPはプラス6.3%となりました。
こうした事情もあって、IMF=国際通貨基金は、各国の経済力を比較する場合、物価の変動を除いた実質の成長率などさまざまな指標を確認する必要があるとしています。
【国内の消費・投資伸びず】
一方、日本では1990年代のバブル経済の崩壊以降、長年にわたって低成長やデフレが続いてきたことも今回の逆転の背景にあると指摘されています。
賃金が十分に上がらず個人消費が伸び悩んだほか、企業も国内への投資に慎重な姿勢を強めました。
「輸出大国」を支えた製造業では、貿易摩擦や円高の影響で海外向けの製品を現地生産にシフトする動きも進みました。
日本の名目GDPのうち、「設備投資」の伸び率は、1988年にはプラス16.5%でしたが、去年はプラス4.6%にとどまっています。
【生産性の低迷】
そして、どれだけ効率的に製品やサービスを生み出すかを示す生産性の低迷も続いています。
日本生産性本部のまとめでは、日本の1時間あたりの労働生産性は、おととし2022年、OECD=経済協力開発機構の加盟国、38か国中30位。
比較可能な1970年以降で最も低い順位となり、11位だったドイツに差をつけられています。
とりわけサービス業は、製造業に比べてデジタル化や省人化が十分に進んでいないと指摘されています。
また、政府が打ち出してきた成長戦略や構造改革もなかなか実を結ばず、国の経済の実力を表すとも言われる「潜在成長率」も伸び悩みました。
OECDによりますと、2022年の各国の潜在成長率は、
▼アメリカが1.9%、
▼ドイツの0.8%に対し、
▼日本は0.6%にとどまっています。
IMFが去年10月に公表した試算では、日本の名目GDPは再来年・2026年には、人口14億人のインドに抜かれて世界5位となる見通しとなっています。
日本では、今後、さらなる人口減少も予想される中、成長率の引き上げに向けて投資の拡大や生産性の向上にどう取り組んでいくのかが急務となっています。
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2024-02-15 10:42:40Z
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