日本銀行による国債買い入れの減額方針を踏まえ、財務省が国債発行の年限を短期化する方向で検討を進めることが分かった。これまで低金利環境の下で年限を長期化させてきたが、方針転換の象徴的な動きとなりそうだ。
同省が21日に開く「国の債務管理に関する研究会」で有識者らが提言する。ブルームバーグが確認した提言案では、日銀の政策変更を受けて国債市場を取り巻く環境が「今後大きく変わっていくことも予想される」と指摘。その上で、「発行年限の短期化や変動利付国債の発行など、市中に供給する金利リスク量の縮減を図る対応も必要」と明記した。
同研究会は市場関係者や大学教授など9人で構成され、中長期的な観点から国債の安定消化について議論する位置付けだ。同省は提言内容を今後の国債発行計画に反映する。
提言案が報じられた後、 債券市場では残存期間の長いゾーンの需給が改善するとの観測から買いが入り、超長期債が堅調な推移に転じた。岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは、年限短期化は想定されていたとした上で、「日銀の買い入れ減額がどうなるのか分からずスティープ(傾斜)化が進んできたが、こうしたポジションを閉じるきっかけになる」との見方を示した。
銀行が買い手候補
日銀は14日の金融政策決定会合で国債買い入れの減額方針を決定した。大規模な金融緩和を背景に長らく日銀が国債の買い手となってきたが、この構図が変わることになる。日銀に代わって買い手候補となり得るのが銀行だ。銀行は負債側の年限が短いことから、資産として保有する国債の年限も比較的短いものが中心となる。年限の短期化で銀行が購入しやすい環境を整える。
日銀は減額方針の具体策を次回の7月会合で決める。債券市場参加者会合を開いて国債買い入れの運営に関する意見も聞き、反映させる。日銀の植田和男総裁は、6月会合後の記者会見で「判断を的確にするためにも市場参加者の意見も聞き、丁寧に決定のプロセスを進めたい」としつつ、減額は「相応の規模となる」と話した。
提言案は、償還までの満期が10年超の超長期債についても言及。今後も生命保険会社が購入主体となるものの、ロールオーバーでの国債購入が中心となっていくことが想定されるため、「中長期的に生命保険会社の国債保有額が大幅に増加していくという展望は見込みがたい」とした。
日銀が保有する国庫短期証券を除く国債は3月末時点で約586兆円と、発行残高の過半を占める。財務省が市場参加者に行った聞き取り調査資料によると、2年から10年ゾーンは増発可能とする一方、40年債については減額余地があるとの声があったという。
関連記事:
(4段落目に債券市場の動きや外部コメントを追加して更新しました)
https://news.google.com/rss/articles/CBMiQ2h0dHBzOi8vd3d3LmJsb29tYmVyZy5jby5qcC9uZXdzL2FydGljbGVzLzIwMjQtMDYtMTkvU0Y5NUE1VDBHMUtXMDDSAQA?oc=5
2024-06-19 04:30:06Z
CBMiQ2h0dHBzOi8vd3d3LmJsb29tYmVyZy5jby5qcC9uZXdzL2FydGljbGVzLzIwMjQtMDYtMTkvU0Y5NUE1VDBHMUtXMDDSAQA
Tidak ada komentar:
Posting Komentar