欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ圏経済への負荷が和らぐほどインフレが十分抑制されたと確信し、6日に開く政策委員会の会合で、過去最高水準にある政策金利の引き下げを開始する構えだ。
ECBは5会合連続で中銀預金金利をユーロ発足後で最も高い4%に据え置いてきた。ブルームバーグの調査結果によれば、3.75%への0.25ポイントの利下げが決定されるとアナリストのほぼ全員が予想。ECB当局者もその対応を最近数週間にわたり広く発信してきた。
物価上昇率は2%の目標に向け順調に鈍化しているわけではないが、ラガルド総裁は、ユーロ圏20カ国のインフレ率が歴史的急上昇を経て、「抑制された状態にある」と5月に宣言した。自国のインフレがより執拗(しつよう)に尾を引く連邦準備制度やイングランド銀行(英中央銀行)より先にECBは金融緩和の軌道に入った。
ユーロ圏の5月の消費者物価指数(速報値、31日発表)は前年同月比2.6%上昇と予想を上回り、前月の2.4%から加速。食料品やエネルギーなど変動の激しい項目を除くコアインフレ率も2.9%と前月を上回る伸びとなった。
ユーロ圏インフレ、5月は2.6%に伸び加速-ECB利下げ直前
6月より後にECBが進む軌道ははっきりしない。予想より強い経済成長とインフレ率、賃金上昇を示すデータが示されたことで、見通しは慎重さを増した。年内3回の利下げを大部分のエコノミストは想定するが、投資家は期待を後退させ、完全に織り込むのは2回だけだ。
ECBの政策委メンバーのうち、ナーゲル・ドイツ連邦銀行総裁やシュナーベル理事といったタカ派でさえ、今週の0.25ポイント利下げに十分な根拠があるとこれまで主張してきた。最近の一連の経済データを受け、それほどのコミットメントは、若干驚きを持って受け止められた。
ポイント72ヨーロッパの欧州経済リサーチ責任者 セーレン・ラデ氏は「彼らの反応関数と整合的であろうとすれば、今週は実際には現状維持とすべきだ。彼らがひねり出した政治的妥協をそれは意味している」と見解を示した。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のシニア・ユーロ圏エコノミスト、デービッド・パウエル氏は「ECBが6日に25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げを決定するのは、ほぼ確実だ。今後数カ月で何が起きるかが記者会見の焦点になるだろう。ラガルド総裁が7月の追加の動きを明確に示唆することはなさそうだが、9月のさらなる行動にそれとなく同意を与えるかもしれない」と指摘した。
ECBは6日の金融政策決定と同時に最新の四半期経済予測の公表も予定する。
ECBはフランクフルト時間6日午後2時15分(日本時間同9時15分)に政策決定を発表し、その30分後にラガルド総裁が記者会見に臨む。
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原題:ECB to Begin Cuts But Path Beyond Gets Murkier: Decision Guide(抜粋)
(市場関係者の見解を追加して更新します)
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2024-06-06 01:30:05Z
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