10日の米株式相場は小反発。連邦公開市場委員会(FOMC)の会合と主要インフレ指標の発表を控えてポジション調整の動きが広がり、慎重な展開となった。新しい人工知能(AI)機能を発表したアップルは下落。
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500種株価指数 | 5360.79 | 13.80 | 0.26% |
ダウ工業株30種平均 | 38868.04 | 69.05 | 0.18% |
ナスダック総合指数 | 17192.53 | 59.40 | 0.35% |
JPモルガン・チェースからシティグループに至るまでウォール街の有力トレーディングデスクは、12日発表の消費者物価指数(CPI)およびFOMCの政策判断を控え、投資家に週内の株価変動に備えるよう促している。
JPモルガンが警戒、CPIとFOMCによる株価ショックの可能性
FOMCは金利を据え置くとの予想が大勢だが、当局者の金利予測についてはそれほど確実ではない。ブルームバーグ調査によれば、注目の「ドットプロット(金利予測分布図)」で年内2回の利下げが示唆されるとエコノミストの41%が予想している一方、同数のエコノミストが利下げは1回だけ、もしくは全く行われないと想定している。
FRB、金融緩和への決意は健在か-ドット・プロットが手掛かりに
モルガン・スタンレー傘下Eトレード・ファイナンシャルのクリス・ラーキン氏は「利下げ推測のゲームは続いている」とし、「利下げを強く意識させるようなインフレ指標が示されたとしても、米金融当局が9月より早く動くことはないだろう」と述べた。
S&P500種株価指数は終値ベースの過去最高値を更新。エヌビディアは1株を10株に分割した後の取引が始まった。
グレンミードのジェーソン・プライド、マイケル・レイノルズ両氏は「新たに公表される『ドットプロット』が最大の焦点になるだろう。インフレ圧力が続く中、米金融当局がより忍耐強くより高い金利のアプローチを取れば、債券利回りは高止まりする可能性が高い」と指摘した。
CIBCプライベート・ウェルスUSのデービッド・ドナベディアン氏は「株式市場は素晴らしい年となっているが、米金融当局に疑問があるため、現在は上昇に一服感がある。景気が減速しなければ、今年は利下げがないかもしれない」と述べた。
米国債相場は、2年債を除く全年限で下落。欧州債市場での幅広い売りに押され、商いを伴って下げた。午後の3年債入札で最高落札利回りが入札前取引の水準を上回ると、翌日の10年債入札を前にセンチメントが悪化し、下げが加速した。
国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 4.59% | 3.8 | 0.84% |
米10年債利回り | 4.47% | 3.1 | 0.71% |
米2年債利回り | 4.88% | -0.4 | -0.09% |
米東部時間 | 16時54分 |
外国為替市場では、ユーロが対ドルで1カ月ぶり安値。欧州議会選挙の結果に加え、フランスのマクロン大統領が国民議会(下院)を解散し、選挙を実施すると表明したことが嫌気された。
為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
ブルームバーグ・ドル指数 | 1263.56 | 1.22 | 0.10% |
ドル/円 | ¥157.05 | ¥0.30 | 0.19% |
ユーロ/ドル | $1.0763 | -$0.0038 | -0.35% |
米東部時間 | 16時54分 |
ユーロは一時1ユーロ=1.0733ドルと、5月9日以来の安値を付けた。
対ドルの円相場は1ドル=157円近辺で小動き。
ニューヨーク原油相場は反発。大きく売られていた前週から回復した。金融市場が総じて上昇した流れに追随した。
米政府がイランの海運セクターに追加制裁を科す方針を明らかにしたことも追い風となった。
シティー・インデックスのマーケットアナリスト、ファワド・ラザクザダ氏はこの日の値上がりについて、石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」による減産幅縮小の決定などを背景に、3週連続で下げていたことが要因だと指摘。「今週に入り押し目買いの動きが出ている。米国ではドライブシーズンが始まり、需要回復が見込まれるため、当面下値を支える」と述べた。
今週は11日にOPEC、12日に国際エネルギー機関(IEA)がそれぞれ月報の発表を予定しており、年内の見通しに関する手掛かりを提供しそうだ。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)でWTI先物7月限は前営業日比2.21ドル(2.9%)高の1バレル=77.74ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント8月限は2.01ドル(2.5%)高の81.63ドルで引けた。
金スポット相場は反発し、1オンス=2300ドル台を回復した。強い雇用統計を受けて大きく売られた前週末の下げを幾分埋めた。
市場は金利見通しに関する手掛かりを得ようと、FOMC会合の結果に注目している。
ヘレウス・グループはリポートで「金相場の中長期的なトレンドは上向きのようだが、最近の急激な上昇を受けてなお調整局面にある」と指摘した。
金スポット相場はニューヨーク時間午後3時45分現在、前営業日比17.99ドル高の1オンス=2311.77ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は2ドル(約0.1%)上昇し2327ドルちょうどで引けた。
原題:Stocks Eke Out Gains in Fed Run-Up as Euro Falls: Markets Wrap(抜粋)
Treasuries Extend Losses, Curve Steepens After Soft 3-Year Sale
Euro Sentiment Sours After Election, Dollar Firms: Inside G-10
Oil Recoups Last Week’s Losses as Traders Buy the Dip
Gold Rebounds as Fed’s Interest-Rate Decision Approaches
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2024-06-10 20:56:00Z
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