<為替> ドルが大半の通貨に対して下落した。米経済指標の軟化を受け、米連邦準備理事会(FRB)が年内に利下げを開始するとの観測が高まった。
円相場は米経済指標を受け、前日付けた38年ぶりの安値から上昇に転じたもの、政府・日銀による円買い・ドル売り介入への警戒感は依然根強い。
主要通貨に対するドル指数は0.1%安の105.91。前日は約2カ月ぶりの高値となる106.13を付けていた。
マネックスUSAのFXトレーダー、ヘレン・ギブン氏は、GDP確定値で、個人消費が2%増から1.5%増に下方改定されたことに言及し、「市場は個人消費の落ち込みに何よりも注目しているようだ」と指摘。第1・四半期のGDPの鈍化は予想通りとしつつも、「これほどまでの消費の落ち込みは、さらなる減速の可能性を示唆している」とコメントした。
終盤の取引で、円は対ドルPY=EBS>で小幅上昇し、160.765円。前日は1986年12月以来の安値となる160.88円に沈んでいた。
アナリストによれば、介入のリスクは高まっているが、日本当局は28日に発表される個人消費支出(PCE)価格指数の結果を待っている可能性がある。
英ポンドは0.2%高の1.2643ドル、ユーロも0.2%高の1.0704ドル。
NY外為市場:
<債券> 経済指標で経済活動が緩やかながらも継続的に減速していることが示され、国債利回りがやや低下した。
インディペンデント・アドバイザー・アライアンスの最高投資責任者、クリス・ザッカレリ氏は「景気後退(リセッション)入りを示す水準は十分に上回っているものの、成長が鈍化していることを示している」と述べた。
国債利回りは低下。指標10年債利回りは終盤の取引で3ベーシスポイント(bp)低下の4.288%。2年債利回りも約3bp低下の4.716%。
財務省が実施した440億ドルの7年債入札は堅調な需要を集め、最高落札利回りは4.276%と、入札前取引をやや下回った。
FRBの金融政策の行方の手がかりを得ようと、市場は28日に発表される5月の米個人消費支出(PCE)価格指数に注目。
現在、市場では年内に約2回の0.25%ポイントの利下げが実施されると予想されている。ただ、ストーンXのチーフ市場ストラテジスト、キャサリン・ルーニー・ベラ氏は、物価圧力が向こう数カ月に急激に低下しない限り、12月までに利下げが実施される公算は小さいとの見方を示した。
市場はこのほか、この日に実施される米大統領選の初の候補者討論会にも注目。民主党のバイデン大統領と共和党のトランプ前大統領が直接討論する。
ウェリントン・マネジメントの債券ポートフォリオ・マネジャー、ブリジ・クラナ氏は「トランプ氏が首尾よくこなし、1つの政党(この場合は共和党)がホワイトハウスと議会の双方をコントロールできる可能性がより明確になれば、国債利回りはおそらく上昇する」と述べた。
米金融・債券市場:
<株式> ほぼ変わらず。投資家は28日発表の米個人消費支出(PCE)価格指数を注視している。ただ、朝方発表された指標が米経済活動の継続的な減速を示したことを受け利下げ期待が高まり、ナスダック総合は小幅上昇して取引を終えた。
ベアードの投資戦略アナリスト、ロス・メイフィールド氏は「このところ大きな材料に乏しく、PCE待ちになっている」と述べた。
米国株式市場:
<金先物> 前日まで続落した後を受けた買い戻しの動きが先行し、3日ぶりに反発した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比23.40ドル(1.01%)高の1オンス=2336.60ドル。
NY貴金属:
<米原油先物> 地政学的リスクの高まりを背景にした供給不安から買いが優勢となり、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物は前日清算値(終値に相当)比0.84ドル(1.04%)高の1バレル=81.74ドルだった。9月物は0.64ドル高の80.83ド ル。
NYMEXエネルギー:
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2024-06-27 21:58:00Z
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