日産自動車の西川(さいかわ)広人社長兼CEO(最高経営責任者)が3日、筆頭株主の仏ルノーと欧米大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の経営統合が実現した場合、「ルノーとの関係を見直す必要がある」と踏み込んだ。西川氏は経営統合について「ポジティブな部分もある」などと比較的好意的な発言を繰り返していただけに、統合論議への牽制(けんせい)ともとれる突然の声明は「方向転換」にも見える。ルノーは4日の取締役会で統合について議論する予定で、直前に出された声明が議論にどう影響するか注目される。
声明の前半では「仮にFCAがアライアンス(提携)メンバーに加わることになれば、新たにその領域、間口が広がり、シナジー(相乗効果)を拡大するオポチュニティ(機会)があると考えている」と表明。ここまでは従来の延長線上の内容だが、これに続いて、経営統合が実現すれば「ルノーの会社形態が大きく変わる」と指摘し、ルノーとの関係見直しに言及した。ルノーとの提携関係が、統合会社との提携に変化するため、提携の前提が崩れるとの主張に見える。
西川氏が関係見直しに触れた背景には、ルノーとの提携ルールを定めた協定「RAMA(ラマ)」が効力を失うことへの懸念がありそうだ。この協定には「ルノーが日産の経営に不当な干渉をしたら、日産は独自の判断でルノー株を買い増せる」など日産にとって有利な規定が盛り込まれている。この協定が、ルノーから43%の出資を受ける日産の経営の独立性を守ってきた面は大きく、協定が「死文化」すれば日産の独立性は大きく揺らぎかねない。RAMAが効力を失い、統合会社が日産に経営統合を強く迫る恐れもある。
朝日新聞社
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2019-06-03 15:55:07Z
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