トヨタ自動車は2日、今期(2020年3月期)の営業利益見通しを前期比2.7%減の2兆4000億円に下方修正すると発表した。従来の予想は2兆5500億円だった。為替の見通しを変更したことが影響するもので、売上高や純利益も従来予想を引き下げた。
トヨタの新たな営業利益見通し額はブルームバーグが事前に集計した市場予想平均値2兆6174億円を下回る。トヨタは前期に連結売上高が初めて30兆円を突破。今期の売上高は若干減少して30兆円ちょうどになると期初に見込んでいたが、29兆5000億円に引き下げ、大台を割り込むことになる。
トヨタ4-6月期の業績 |
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トヨタは通期の為替見通しについて1ドル=106円(従来は110円)、ユーロに関しては同121円(従来125円)とそれぞれ4円円高方向に修正。トヨタの近健太執行役員は都内での会見で、「7月以降の為替見通しを円高方向に見直したことで通期見通しを変更した」と説明した。
ブルームバーグのデータによると、4-6月のドル・円相場の平均は1ドル=109.97円と当初の期初の想定とほぼ同水準で推移しているが、7月以降は107円台から108円台のレンジで取引されている。
トヨタの決算資料によると、為替変動の影響が期初の営業利益見通しを1800億円押し下げる要因となり、原価改善や経費削減の努力を上回って減益となる見通し。その影響を除けば実質的には利益は300億円増加する計算だ。
メキシコで生産能力増強
通期の連結世界販売台数については従来の900万台を据え置いた。4-6月期の地域別の営業利益ではトヨタにとっての最大市場で収益性の改善が課題となっていた北米で前年同期比47%増の1154億円と大幅に増加。日本と欧州でも増益となった。アジアとその他の地域では為替変動やインフレの影響などで減益となった。
トヨタの吉田守孝副社長は都内で会見し、北米では市場全体では前年割れが見込まれているものの、トヨタは市場を上回る水準を見込んでいると説明。SUVへのシフトが続いているとして「来年、再来年と新型SUVを投入する」と述べた。メキシコ工場の生産能力を10万台増強するほか、SUV「ハイランダー」の生産能力も4万台増強するという。
吉田氏は、今後2年でコンパクト車や商用車、SUVなどさまざまな車種の18のモデルを新たに投入し、全体の約6割にあたる650万台程度を新型に切り替える体制を目指すことも明らかにした。
前日比下落で取引されていたトヨタ株は午後の決算発表を受けて下落幅を縮小。前日比2.3%安の6929円で取引を終えた。
(トヨタ幹部のコメントなどを追加して更新します.)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-08-02/PVL3O16JTSEF01
2019-08-02 04:34:00Z
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