ドイツのオンライン決済会社ワイヤーカードは25日、破産手続きを申請した。大規模な会計スキャンダルで破綻に追い込まれた。
発表によると、ワイヤーカードの経営陣は債務超過を理由に、ミュンヘンの裁判所に破産手続き下の資産保護を求めた。子会社にも手続きを適用すべきかどうか検討していることも明らかにした。
ワイヤーカード・バンクは申請には含まれていないと、事情に詳しい関係者が匿名を条件に述べた。銀行の破綻手続き開始については連邦金融監督庁(BaFin)が決定権を持つ。
同社はバランスシートに計上されている現金19億ユーロ(約2290億円)の所在が不明であることを先週認め、1週間足らずのうちに株と債券が急落。20年近く同社を率いてきたマーカス・ブラウン前最高経営責任者(CEO)は不正会計の疑いで逮捕された。
フランクフルト市場に上場するワイヤーカード株の取引は破産申請の発表前に停止されていたが、取引再開後に80%安の2.5ユーロに急落した。5億ユーロ相当の2024年償還債は額面1ユーロに対し0.06ユーロ値下がりし、過去最低の0.12ユーロとなった。
破産手続きの下で、ワイヤーカードの債権者らは債権回収を巡り管財人との時間のかかる交渉に直面する。コメルツ銀行やABNアムロ、LBBW、INGなどの債権銀行団は約20億ドルの融資について返済を猶予する代わりに事態を明確にすることを求めていた。
原題:Wirecard Files for Insolvency After $2.1 Billion Went Missing(抜粋)
(第2段落以下を追加します)
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2020-06-25 10:40:00Z
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