[東京 5日 ロイター] - 内閣府が5日発表した2月景気動向指数(CI)は、景気の現状を示す一致指数と先行指数がともに前月比プラスに転じた。ただ、機械的に算出した指数判断はなお「下方への局面変化」としており、景気の息切れ感は完全に払拭し切れてはいない。消費税率10%への引き上げまで残すところ半年を切るなかで、政府は、景況判断を維持できるのか正念場を迎えている。
2月景気動向指数のうち、景気の現状を示す一致指数が速報ベースで98.8と、前月から0.7ポイントの上昇だった。上昇は4カ月ぶり。先行指数も6カ月ぶりにプラスに転じ、97.4と前月からは0.9ポイント上昇した。
指数算出に使う9つの統計のうち、1月は公表されていた7つすべてがマイナスに寄与した。2月は、1)耐久消費財出荷指数、2)投資財出荷指数、3)生産指数――の3つがプラスに寄与し、専門家からは「先行きへの不安から、すでに生産を抑制する動きがあったことで在庫の積み上がりがなく、需要さえ持ち直せば、生産が持ち直す可能性もある」(SMBC日興証券・シニアエコノミスト、宮前耕也氏)との声が出ている。
もっとも楽観はできない。一致指数の基調判断は2月も「下方への局面変化」に据え置かれたが、3月の景気動向指数では、さらなる引き下げも視野に入っている。
内閣府が公表している「CIによる景気の基調判断」の基準によると、3カ月以上連続して3カ月後方移動平均が下降し、かつ当月の前月差の符号がマイナスになると、景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」へと機械的に引き下げられる。
一致指数の3カ月後方移動平均は、2018年10月にプラス0.53だった以降は11月がマイナス0.27、12月がマイナス0.16、19年1月がマイナス1.87、2月がマイナス1.03と4カ月連続で下降を続けた。
今回は、一致指数の符号がプラスだったため、機械的な判断引き下げは免れた。だが、第一生命経済研究所・主席エコノミスト、新家義貴氏は「実質的にはすでに『悪化』といっても差し支えない状況」と指摘する。
茂木敏充経済再生担当相は3月20日、月例経済報告後の記者会見で、景気回復期間が今年1月に戦後最長を更新した可能性について「認識は変わっていない」と強調したが、政府の総合判断とは裏腹に「今後さらに輸出が落ち込むようだと政府判断との整合性が怪しくなる」(国内金融機関)との指摘も、市場にはある。
マクロ政策取材チーム 編集:田巻一彦
https://jp.reuters.com/article/japan-economy-ci-idJPKCN1RH0L6
2019-04-05 10:15:16Z
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