[北京 15日 ロイター] - トヨタ自動車(7203.T)は、中国の電気自動車(EV)スタートアップ企業である奇点汽車(Singulato)にEV技術を販売することで合意した。トヨタにとって中国EVスタートアップとの合意は初めて。
その見返りにトヨタは、EVとプラグインハイブリッド車向けの中国の新たなクオータ制度の下で奇点汽車が生み出す「グリーンカー」クレジットを優先的に購入する権利を得る。
また、奇点汽車の沈海寅最高経営責任者(CEO)およびトヨタの関係者2人によると、トヨタは中国EVスタートアップの運営手法や戦略についても大局的に把握できるようになるという。
トヨタ関係者の1人は「電化、自動運転、カーシェアリングが業界を揺さぶる中、従来の方法を見直す必要がある」と指摘。「われわれは自動車技術において1世紀のリードを有するが、新規参入者から学ぶ謙虚さも必要だ」と語った。
奇点汽車は、トヨタ「eQ」の設計利用ライセンスを取得する。今回の合意は16日に上海自動車ショーで発表される予定で、奇点汽車はeQをベースとしたコンセプトカーを発表する。
奇点汽車は発表車を現地の好みに合わせて設計し直し、2021年初めまでにはより手頃な価格で航続距離が長いモデルを考案する予定だ。
沈CEOはロイターに対し、「今回の合意により、信頼性の高い車を開発し、当社が得意とする分野に集中するために時間とコストを節約できる」と語った。
金銭的な条件は明らかにされない見通し。奇点汽車の関係者によると、同社はeQの設計に「数千万ドル」を支払うことに同意したという。
トヨタは主要市場である中国での事業を加速させるため、さまざまな措置を講じているとしたが、具体的な措置についてはコメントしないと説明した。
沈CEOによると、今回の合意は奇点汽車の将来性に対するトヨタの信任投票だという。
奇点汽車は2014年に設立され、インテル(INTC.O)と伊藤忠商事(8001.T)の支援を受けている。少なくとも50の中国EVスタートアップが競争の激しい市場での生き残りを目指しており、奇点汽車もその1社。最初の自社開発バッテリーEV「iS6」を今年販売する計画だ。
https://jp.reuters.com/article/autoshow-shanghai-toyota-singulato-idJPKCN1RR0Y2
2019-04-15 10:39:00Z
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