Senin, 12 September 2022

【米国市況】株4営業日続伸、市場の関心はCPIに-ドル142円台 - ブルームバーグ

週明け12日の米金融市場では株式相場が上昇し、ドルが下落。米国のインフレがピークに近づいているとの思惑を背景にリスク選好姿勢が強まった。東京取引時間帯に1ドル=143円台に下げた円は142円台に下げ渋った。米国債相場では10年債利回りが上昇し、利回り曲線がスティープ化した。

  • 米国株は4営業日続伸、インフレがピークに近いとの観測
  • 米国債相場は下落、10年債利回りは6月半ば以来の高水準
  • ドル下落、ユーロは半年ぶり大幅高-ECB当局者発言で
  • NY原油は3日続伸、ドル下落とリスク選好ムード受け
  • NY金、続伸-8月米CPI控えドルが続落

  S&P500種株価指数は全11セクターが上昇し、約2カ月ぶりの4営業日続伸となった。個別銘柄ではアップル株の上昇が目立った。「iPhone(アイフォーン)」最新モデルの予約データから堅調な需要が示されたことが背景。

アップル株が5月以来の大幅高、最新iPhoneの予約データを好感

  S&P500種は前週末比1.1%高の4110.41。ダウ工業株30種平均は229.63ドル(0.7%)高の32381.34ドル。ナスダック総合指数は1.3%上昇した。米10年債利回りはニューヨーク時間午後4時17分現在、4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.35%と、6月半ば以来の高水準。

  市場の関心は13日発表の8月米消費者物価指数(CPI)に集まっている。ブルームバーグがまとめた市場予想では、総合CPIは前年同月比8%上昇への減速が見込まれている一方、変動の大きい食品とエネルギー価格を除いたコア指数は同6.1%上昇と前月に比べて伸び加速が予想されている。短期金融市場は、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での3会合連続となる0.75ポイント利上げをほぼ完全に織り込んでいる。

  米債券市場の指標では、今年急速に高まったインフレ圧力が金融政策の引き締めに伴い最終的に抑制されるとの見方を投資家が強めていることが示唆された。

  米ニューヨーク連銀が発表した最新の消費者調査では、インフレ期待が大幅に低下したことが明らかになった。3年後のインフレ期待は8月に2.8%に低下。7月は3.2%、6月は3.6%だった。1年後については7月の6.2%から5.7%に低下した。

米インフレ期待、8月に大きく低下-NY連銀の消費者調査

  バンク・オブ・アメリカ(BofA)のクレジットストラテジスト、ユーリ・セリガー氏は「悪いニュースは8%を超えるCPIで米金融当局がタカ派姿勢を続け、金利のボラティリティーが高止まりすることだ」とリポートで指摘。「良いニュースは、当行エコノミストによれば米国のインフレがピークを迎えつつあり、今年第4四半期(10-12月)から2023年にかけて明確な低下トレンドに転じるはずだということだ」と記した。

The single currency's gains picked up in European trade

  外国為替市場ではドルが円を除く主要10通貨の全てに対して下落。ユーロは大幅上昇となった。欧州中央銀行(ECB)当局者のタカ派発言を受けて一時1.6%高の1ユーロ=1.0198ドルと、8月中旬以来の高値を付けた。

ECBは利上げ継続が必要、物価状況に変化なければ-独連銀総裁 (1)

  INGのFXアナリスト、フランチェスコ・ペソル氏は「現在、ドルがミニ調整局面にあることは明らかだ。引き金となったのは主としてリスク心理の回復と、行き過ぎたドル買い持ちポジションの一部巻き戻しだ」と指摘した。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.4%低下。ニューヨーク時間午後4時17分現在、ドルは対円で0.2%高の142円78銭。ユーロは対ドルで0.8%高の1ユーロ=1.0119ドル。

   UBSセキュリティーズの外為ストラテジスト、バシーリ・セレブリアコフ氏は8月米CPIがインフレの「低下傾向」を示す場合、市場では最初の反応として対円でのドル調整がさらに進行するだろうと述べた。

米CPIの「低下傾向」、対円でドルの調整加速させる可能性-UBS

  ニューヨーク原油先物相場は3営業日続伸。需要が世界的に悪化するとの懸念があるものの、ドルの下落を背景に買いが優勢になった。ドル下落は、ドル建てで取引される原油などを支える傾向にある。米国のインフレがピークに近いとの観測から、市場の広範でリスク選好ムードが広がった。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物10月限は、前週末比99セント(1.1%)高の1バレル=87.78ドルで終了。一時は85ドル台に下げた。ロンドンICEの北海ブレント11月限は1.3%高の94ドルちょうど。

  オアンダのシニアマーケットアナリスト、エド・モヤ氏は「強気に転じた材料が多数あった。インフレ沈静化が続くとの楽観でドル上昇が止まったことや、イラン核合意再建協議が行き詰まり、近い将来に供給問題が和らぐ可能性が先送りされたことなどだ」と指摘した。

  ニューヨーク金先物相場は続伸。CPIの発表を前にドル指数が続落し、ドル建てで取引される商品を支えた。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は、前週末比0.7%高の1オンス=1740.60ドルで終了。

  サクソバンクの商品戦略責任者、オーレ・ハンセン氏は「ファンドによる最近の空売りに若干のドル軟調が加わり、上昇が勢いづいた」と指摘した。

原題:Stocks on CPI Eve Close Out Best Run in Two Months: Markets Wrap(抜粋)

Dollar Weaker Against Peers While Euro Rallies: Inside G-10(抜粋)

Dollar Weaker Against Peers Following Euro Rally: Inside G-10(抜粋)

Oil Rises With Dollar’s Descent Countering Demand Worries(抜粋)

Gold Rises on Weakening Dollar Ahead of US Inflation Data(抜粋)

 

 

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2022-09-12 20:50:00Z
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