ムニューシン米財務長官=ロイター
【ワシントン=河浪武史】ムニューシン米財務長官は2日、中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)が運営する動画投稿サービス「TikTok(ティックトック)」について「現状の組織形態では存続させない。利用を禁止するか(バイトダンスが)売却するかだ」と主張した。ティックトックが持つ膨大な個人情報が、中国当局に流出するリスクを懸念した。
ティックトックを巡っては、トランプ大統領が7月31日に利用の禁止を検討すると表明している。
ムニューシン氏は米テレビ番組のインタビューに答えた。同氏は外国企業の米国投資を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)の議長を務めており「ティックトックは1億人の米国民の個人情報を(中国側に)流出させるリスクがある」と強調。「委員会としては、現状の組織形態で存続させることはできないと判断している」と明言した。
CFIUSはティックトックの米事業の切り離しを大統領に勧告できる権限がある。ムニューシン氏は「ティックトックを売却させるか、利用禁止にするか。大統領はどちらの権限も持っている」と指摘し、トランプ氏の判断に委ねる考えを強調した。トランプ氏らとの協議では「現状のままでは存続させないということで全員が一致した」という。
バイトダンスは17年に米動画投稿サービス会社を買収し、ティックトックは米国内だけで6500万人の利用者がいるとされる。ただ、米政権は「安全保障上の懸念がある」(ポンペオ国務長官)と同サービスの利用禁止を検討してきた。ティックトックは利用者データから交友関係や位置情報などを把握でき、米当局は親会社のバイトダンスが中国当局にその情報を提供するリスクがあるとみている。
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2020-08-02 14:05:57Z
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