Sabtu, 04 Desember 2021

承認申請中の新型コロナ飲み薬 発症5日以内の服用推奨で課題も - NHK NEWS WEB

アメリカの製薬大手メルクが3日、新型コロナウイルスの飲み薬の承認を国内で初めて申請しましたが、発症から5日以内の服用が推奨されているため、早期に患者に届けられるかどうかが課題となります。

メルクは3日、軽症と中等症の患者向けに開発した新型コロナウイルスの飲み薬「モルヌピラビル」の承認を日本法人を通じて厚生労働省に申請しました。
国内で飲み薬の承認申請が行われたのは初めてで、自宅でも服用できるため、患者や医療機関の負担の軽減にもつながると期待されています。

臨床試験では、発症から5日以内の重症化リスクがある患者で入院や死亡のリスクが30%低下したとされ、厚生労働省は年内にも承認の可否を判断する方針です。
一方、課題となるのが服用までの時間です。
モルヌピラビルは、症状が出てから5日以内に服用することが推奨されています。
処方を受けるには、医療機関などで検査を受けることが条件となる見通しですが、感染が急拡大した場合は業務がひっ迫してすぐに検査が受けられず、結果が出るのにも時間がかかるおそれがあります。

さらに、検査結果が出たあと、薬を入手するまでに通常より時間がかかるケースも出てくると見られています。
陽性となった場合、厚生労働省は周囲との接触をできるだけ避けてもらうため、患者が薬局に出向くのではなく、自宅で受け取るようにする方法を検討しています。
受診した医療機関が、患者の最寄りの薬局にFAXなどで処方箋を送り、薬局の薬剤師が電話やオンラインで患者に服用方法などを指導したあと運送業者を通じて薬が配送される仕組みです。
しかし、当面は供給量が限られるため、自治体が指定した薬局に配分される予定で、人口の少ない地域や離島などに住む患者で指定された薬局が身近にない場合配送に日数がかかるおそれがあります。

薬局「経過観察が大切」

医療機関や薬局では飲み薬承認への期待が高まる一方、自宅で服用する際の経過観察が大切だという声や処方の基準を明確にしてほしいという声が聞かれました。

JR千葉駅の構内にある薬局では医師から処方箋を受け取って患者の自宅に薬を配送する仕組みを去年3月から取り入れています。
処方箋が届くと薬剤師が患者に電話で連絡をして薬の飲み方などを説明する「服薬指導」を行ったうえで、宅配業者を通じて配送します。
新型コロナの患者や、感染が心配で通院を控えている高齢者など、これまでに1000件ほど利用があったということです。
飲み薬が実用化された場合、隣にあるクリニックと連携すれば陽性と判明したその日のうちか翌日には届けることができると見込んでいます。

薬剤師の白鳥香さんは「飲み薬という選択肢が増えることは安心材料になると感じます。薬を届けたあとに状況を確認することが大切になってくると思うし、副作用の情報もしっかり把握していきたい」と話していました。

医療機関「処方の基準を明確にしてほしい」

また、薬局の隣のクリニックではPCR検査やオンライン診療を行っていますがことし夏の第5波の際には1日に200人ほどが検査に訪れ検査結果が出るまでに2、3日かかることもあったということです。
発症後5日以内に服用を始めるためにはできるだけ早い受診を呼びかける必要があると考えています。

クリニックの柳本蔵人医師は「これまで点滴の薬は出ていたがわれわれのようなクリニックで使うのは難しかった。飲み薬になれば早めに投与して重症化を防げるようになるのではないか。ただ、第5波のときも最初は軽症だった患者が急に状態が悪化することがあり自宅で服用する際のフォローアップは大切になると思う。また、薬の量は限られているので重症化する人に行き届かない事態にならないように、どういった人に処方するのか国には基準を明確にしてもらいたい」と話していました。

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2021-12-04 07:59:42Z
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