Senin, 06 Desember 2021

楽天の改善措置確認後に調査終了へ 公取委、独禁法違反疑い指摘 - 毎日新聞 - 毎日新聞

楽天グループの調査結果について記者会見する公正取引委員会の山口正行・第2審査長=2021年12月6日午後3時2分、山崎征克撮影 拡大
楽天グループの調査結果について記者会見する公正取引委員会の山口正行・第2審査長=2021年12月6日午後3時2分、山崎征克撮影

 楽天(現楽天グループ)が通販サイト「楽天市場」で一定額以上の商品の送料無料化を進めようとしている問題で、公正取引委員会は6日、楽天が無料化に参加しない一部出店者に不利な対応を示唆するなど、独占禁止法に違反する疑いがあったとする調査結果を公表した。楽天が「出店者の意思を尊重し、独禁法に違反する行為を行わない」との改善措置を示したことから、公取委は措置の実行を確認した後に同社への調査を終了する。

 楽天は2019年、楽天市場で3980円以上購入した場合の送料を無料化する制度を発表し、20年3月から実施すると出店者に通知した。一部の出店者が「一方的な負担の押しつけになる」と反対する中、公取委は20年2月、一律・一方的な導入は独禁法違反(優越的地位の乱用)の疑いがあるとして楽天に立ち入り検査。制度の緊急停止命令を出すよう、東京地裁に申し立てた。

 その後、楽天が一律導入の延期を表明し、申し立ては取り下げられた。楽天は同年3月、事前に申請した出店者は対象から除外するとの規定を設けたうえで制度を開始。公取委は出店者が実質的に参加を強制されていないか調査を続けていた。

 公取委によると、楽天は延期を表明した後、営業担当者が制度に参加しない出店者に対し、「楽天市場の検索結果で、参加している店舗の商品を上位に表示する仕様に変更する」「参加しなければ次の契約時に退店となる」などと示唆するケースが確認された。また、出店者が契約プランを変更する際、制度への参加を必須とした時期もあった。

 楽天は、出店者には「送料分を商品の価格に上乗せすることは可能」と説明していた。だが、公取委の調査では、参加した出店者の中には「送料分を十分上乗せできず、利益が減った」「上乗せしたことで客が離れた」などと不利益が生じている実態もあった。公取委は、楽天が高い立場を利用し、出店者に不利益を生じさせているとして、独禁法違反の疑いを指摘した。

 調査結果を受け、楽天は公取委に「制度への参加、不参加について出店者の意思を尊重し、独禁法に違反する行為を行わない」「参加しない店舗を不利にするような取り扱いを行わない」などとする改善措置を示した。公取委は、これらが実行されれば独禁法違反の疑いは払拭(ふっしょく)されると判断した。

 楽天は、19年8月以降は制度への参加を楽天市場への新規出店の条件としている。楽天市場の店舗は1日現在で約5万5000店あり、11月現在で92%が制度に参加。公取委によると、今年3月時点で19年7月以前から出店していたのは約4万店だった。【山崎征克】

楽天市場の送料無料化を巡る経緯

 <2019年>

8月   楽天(現楽天グループ)が、3980円以上購入した場合、送料を無料にする方針を発表

10月   送料無料化に反対する一部の出店者らが任意団体「楽天ユニオン」を設立

12月   送料無料化を20年3月18日から実施すると楽天が出店者に通知

 <20年>

1月   送料無料化の押しつけは独禁法違反にあたるとして、楽天ユニオンが公正取引委員会に調査を申し立て

2月10日 公取委が独禁法違反の疑いで楽天に立ち入り検査

  28日 公取委が楽天市場の送料無料化について、緊急停止命令を出すよう東京地裁に申し立て

3月6日 楽天が全店舗一律での送料無料化実施見送りを表明

  10日 公取委が緊急停止命令の申し立てを取り下げ

  18日 楽天が無料化制度を開始。事前申請した出店者は対象から除外

 <21年>

12月6日 公取委が無料化制度には独禁法違反の疑いがあったとする調査結果を公表。楽天が改善措置を示し、公取委は調査を終了すると発表

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2021-12-06 11:50:30Z
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