公正取引委員会(公取委)は、楽天グループに対して、同社のECサイト「楽天市場」の施策について独占禁止法(独禁法)違反の疑いがある事実が認められたと発表した。楽天は改善すると申し出ており、今後、改善策が実施されれば公取委による調査が終了することになる。
同社は楽天市場において、2020年3月18日から「送料無料ライン」として、出店する店舗に対し、3980円以上の購入で「送料無料」と表示する制度を一律に導入するとしていた。これに対して、公正取引委員会では、東京地方裁判所に対して緊急停止命令の申立を行っていたが、楽天が出店者に対して同施策の適用対象外申請を開始したことから取り下げられた。
しかし、公取委によるこれまでの審査の結果、施策に参加せずとも出店可能だった2019年7月以前から楽天市場に出店している事業者に対して、送料無料ラインの施策に参加しない場合、楽天市場の検索結果で下位に表示される、またユーザーの操作によっては、表示されないことがデフォルトの状態になるなど、出店者が不利益を被る取り扱いを行うことを示唆していた。
また、参加しない場合は契約更新を認めないことなどに加えて、2021年5月10日以降に出店プランを変更する場合は送料無料ライン施策への参加が必須になるほか、一度プランを変更して以降は、適用対象外申請を受け付けない趣旨をシステム上に記載しており事実上、施策への参加を強く促していることが浮き彫りになった。
楽天グループは、今回の審査において独禁法違反と疑われる事柄を改善すると申し出ており、万が一改善項目に反する行為があった場合、楽天市場苦情受付窓口に連絡するよう各店舗に案内するという。
公取委では、楽天グループが申し出た改善策を実施したことを確認した上で審査を終了するとしている。
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2021-12-06 15:00:00Z
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